中国放送
今週からTBS系SDGs WEEKということで、17種類ある持続可能な開発目標に関係する新しい動きをお伝えしていきます。きょうのキーワードは、『日本酒業界に新風 純米酒&レモンで新しい酒造り』。 広島県で第3の『和』のお酒が誕生したことをみなさん、ご存じでしょうか。呉市豊町で新しい酒造りに取り組む会社を取材しました。SDGsのアイコンは、「8 働きがいも経済成長も」「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」「11 住み続けられるまちづくりを」です。 呉市豊町です。瀬戸内の段々畑には、特産のレモンが実っていました。ここ久比・三角島では、化学肥料など一切、使用しないで無農薬で栽培されたレモンは、ミカドレモンとしてブランド化が進められています。 そして今、この地で新たな酒造りが始まろうとしています。手がけるのは、三宅紘一郎さんが代表を務めるナオライのメンバーです。 ナオライは、2015年、三角島で創業。 「100年・200年の歴史を持っている酒蔵がなくなってしまうことにすごく残念さがあるので、それを事業の力・経済の力で何か残していける方法があるんじゃないかという思いだけで創業した。」(ナオライ 三宅紘一郎代表) 2017年には、スパークリングレモン酒「MIKADO LEMON」が完成。その年の「ひろしまグッドデザイン賞パッケージ部門グランプリ」を受賞しました。 「産地から語れるブランドを作りたいという思いで、広島が日本一の産地であるレモンと日本酒を合わせたブランドを作ろうと。」(ナオライ 三宅紘一郎代表) そして第2弾として作られた酒が、その名も「浄酎」。選び抜かれた日本酒をさらに浄溜することによって生まれるお酒です。 日本酒とは「新鮮であればあるほど価値の高い飲み物」とされていますが、抽出されたアルコールで作られる「浄酎」は時間をかけるほど丸みが出て、味に深みが増すといいます。 県内の4つ酒蔵と連携し、各蔵元の純米酒を原料に商品化しました。日本酒需要が低迷している中、酒蔵への利益還元の期待も背負っています。 「酒蔵を何とかしたいという思いで、世界に日本酒を売ろうと、学生時代から思っていた。ワインやウイスキーのようにビンテージ、置けば置くほど、熟成すればするほど、価値が高まるお酒にできないかと、ずっと問いとして持っていて…。」(ナオライ 三宅紘一郎代表) 41度という高いアルコール度数で、洋酒のようにオン・ザ・ロックやソーダ、トニックウォーター割りなどの飲み方を提案し、新しい市場開拓を目指しています。 そして、この「浄酎」を生かした第3弾となる酒造りが始まっています。 これまでの神石高原町に加え、新たに久比に新しい浄溜所を構える準備が進んでいます。この日は、導入するさく汁機のテストが行われていました。 「皮をむいて、綿をむいて、果実だけにしたものです。綿は苦みになるので、皮のおいしいところと、綿も活用できると思うので、綿と皮、それぞれがいい味を出せるように分解しみて…。」(ナオライ 久比・三角島コミュニティーマネージャー 柿木景子さん) さく汁するためにおよそ30キロのレモンが用意されました。 しぼられた果汁は、スパークリングレモン酒やエッセンシャルオイルに。しぼりカスは肥料にと再利用されます。 「レモンをすべて使い切る。ふつう、皮はゴミになってしまうんですけど、それもお酒の原料にすることによって、レモンをほぼ100%有効に使わせていただく。」(ナオライ 三宅紘一郎代表) そして、誕生したのが、第3弾「琥珀浄酎」です。皮まで食べられる「ミカドレモン」で香り付けし、オークたるで熟成させるのです。 このお酒を造るためにクラウドファンディングが行われました。酒蔵を守りたい。そして、皮まで食べられるレモンを世に広げたいと訴えました。 「全国・全世界からご支援とかいろんな声が集まって、800万円を超えるご支援が集まったことは、ぼくらも驚いていると同時に本当におもしろい時代だなという感覚があります。」(ナオライ 三宅紘一郎代表) ナオライの取り組みは、高齢化と過疎化が進む地域に変化をもたらしつつあります。 インターンシップの受け入れを始めました。大学を休学して、北海道から参加する阪本幸大さんと、スパイス農家を目指し、全国の農家で修行中の斉藤陽太さんです。 「自然農法で、より人間が介入しない農業というのが新鮮で、おもしろいです。」(阪本幸大さん) 「どんどんやりたいことをやっていいんだなということを、ここで学べました。」(斉藤陽太さん) 地元では、ナオライをサポートするグループも現れました。 「まめな」は、久比で農業や介護など地域活性化に取り組んでいます。まめなが整備を続けている古民家を活用したスペースは、すでにナオライも活動できる拠点として利用しています。 「これからの企業活動とか、利益活動は、社会性を考えることが需要で、ナオライのやっているお酒造りはただ単にし好品を造るだけではなくて、それによって社会を少しよくしていく。そういう活動になっていると思う。」(まめな 更科安春代表理事) 退職後、ふるさとの久比に戻り、レモンなど柑橘類のオーガニック栽培に取り組む梶岡さんは…。 「若い方で久比の資源・柑橘に向いた土地や気候を理解されて、実際に体を動かされて、苗木を植えたり、育てられたり、若い方がそういうことを実際にされるということが、本当に地元の人間としてうれしい。」(梶岡秀さん) 日本酒を、酒蔵を守りたいという取り組みは、少しずつ地域とともに動き出そうとしています。 「なかなか自然から感謝される人や企業はいないと思うし、ぼくらもできていないけど、そこを目指そうとしている。ぼくらなりのSDGsかなと思っています。」(ナオライ 三宅紘一郎代表) ― 日本酒とレモンの風味をかけ合わせた「琥珀浄酎」ってどんなお酒なんでしょうか? 残念ながら、ただ今、3月末で締め切られたクラウドファンディングの返礼として準備中ということで、スタジオには持って来られませんでした。しかし、その原料となる「浄酎」がこちらです。色がついたのが、たるで熟成した浄酎です。 そして、レモンの皮をイメージしたボトルが、スパークリングレモン酒「MIKADO LEMON」です。 コロナ禍で飲食店の時短営業や外食自粛などで日本酒業界も厳しいと聞きます。新しい発想が、多様化する好みの中で1つの選択肢となれば。日本酒の販売が伸びれば、原料のコメの需要も増やせる。またレモンもしかり。新しい酒造りで地域を盛り上げられれば。
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イマシリ!『日本酒業界に新風 純米酒&レモンで新しい酒造り』(RCC中国放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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