近年、続くレモンサワーブーム。新作はどんどん発売されており、まだまだブームは衰えるところを知らないが、このほど進化系も出てきている。今回は、その進化系レモンサワーの新たな潮流として、「レモネード系」「味変系」「ワイン業界からの参入」の商品を紹介する。どれも夏にぴったりの爽やかな味わいだ。
進化系レモンサワーの3つの系統
1.レモネード系
一つ目は、レモネード系だ。一見レモンサワーと大差ないように見えるが、実はまったく異なるといっても過言ではない、レモンサワーとは異なる魅力がある。
レモネードサワーとは、レモネードに焼酎をレモネードと炭酸水で割って作るサワーのこと。レモネードとは、レモンの果汁に蜂蜜や砂糖などで甘味を付けて、それを冷水や炭酸水で割ったものだ。
このレモネードサワーの潮流を代表するのが、眞露の「サンキスト® レモネード・サワー」シリーズや、コカ・コーラの「ノメルズ ハードレモネード」だ。
●眞露「サンキスト レモネード・サワー」シリーズ
世界初のサンキストブランドお酒として注目を集め、2020年6月に日本で発売されたのが、このレモネード・サワーだ。
カリフォルニアとアリゾナで128年の歴史を持ち、数々の家族経営の柑橘類農場から成る農業協同組合「サンキスト・グロワーズ」が、レシピからパッケージデザインまで厳選な審査を行った公認の商品。
太陽と大地の恵みたっぷりの味を再現するため、 サンキストの厳正な審査を経てレシピを開発した。
レモネードは、甘酸っぱくもスッキリとした口当たりで、どこか懐かしさを感じさせる「大人のレモネード」の味わいに仕上げ、お酒に仕上げた。
そして今年6月には期間限定の新フレーバー「サンキスト ホワイト レモネード・サワー」を発売。こちらはレモネードに乳性特有の甘酸っぱさをプラスして、ホワイトらしさを感じる優しい味わいとなっている。
眞露の担当者は、レモンサワーとは異なるレモネードサワーの魅力について、次のように話す。
「レモネードサワーはレモンの酸っぱさとバランスのいい甘さがあり、料理がなくても単体で楽しんでいただけるのが魅力のひとつです。もちろん料理と一緒でもお楽しみいただけます」
●コカ・コーラ「ノメルズ ハードレモネード」
コカ・コーラから今年6月に発売された「ノメルズ ハードレモネード」は、レモンの甘酸っぱさでさっぱり飲みやすいのが特徴だ。ハードレモネードは、レモネードにアルコールを足したもので、米国で人気のお酒だという。
フレーバーは3種。「ノメルズ ハードレモネード オリジナル」は定番のレモネードらしい甘酸っぱさが味わえる。「ノメルズ ハードレモネード サワー!サワー!サワー!」は、ちょっとすっぱいレモネード味。「ノメルズ ハードレモネード ビターサワー」はほろ苦なレモネード味。レモネードサワーとしても、さまざまな味わいを感じられる。
レモネードサワーは、甘いお酒が好きな人向けといえそうだ。レモンサワー単体ではちょっと物足りないというときに、路線を変えてみるのもいいかもしれない。
2.味変系
続いては、レモンサワーの味変系。レモンサワーの味はどうしても似通ってしまうもの。いつものレモンサワーにちょっと変化をつけたいときに飲みたいのがこの系統だ。
●サッポロビール「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」
今年6月に数量限定で発売された「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」はその味変系に含まれるだろう。
本商品は「サッポロ レモン・ザ・リッチ」ブランドの限定フレーバー。このブランドの特徴である、レモンのオイル、果皮、パルプ分を選りすぐったこだわりのレモン果汁使用による複雑味のあるレモンの濃さは健在だ。そこへ、塩麹のほんのりしょっぱく、まろやかな旨みがプラスされている。
夏の汗ばむ時期は、しょっぱいものが恋しくなる。そんなときにぴったりの味変といえる。
サッポロビールの担当者によると、この商品のポイントは「塩麹」にあるそうだ。
「レモン・ザ・リッチには、ただの塩ではなく塩麹を使用しています。理由は、レモン・ザ・リッチの複雑味のあるレモンの濃い味わいを一層引き立たせ、塩麹のほんのりしょっぱまろやかな旨みを要素として加えたかったこと、また、ただの塩レモンサワーではない、上質系レモンサワーであるレモン・ザ・リッチらしい素材へのこだわりを感じられるようにと考えました。塩麹のまろやかな味わいは、夏の夜のゆっくり晩酌時間にぴったりだと思います。ぜひお楽しみください」
3.ワイン業界から参入
3つ目は、もはや焼酎ではなく、ワインである。
●メルシャン「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」
今年6月末にメルシャンから数量限定で登場した「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」は、「ギュギュッと搾ったサングリア」シリーズの限定版。同シリーズはフルーティさとリッチな果実感が楽しめるサングリアだ。
濃密レモンMixを開発した背景として、近年、RTD(Ready to Drink の略で、栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料)を中心に人気が高まっている「レモンフレーバー」に着目したところがあるという。
開発を担当したキリンホールディングス株式会社 飲料未来研究所の安部杏香氏によれば、夏の時期に人気の高いレモンフレーバーに着目し、爽やかなレモンにグレープフルーツ×オレンジをバランスよく組み合わせ、氷で割ってもおいしいしっかりとした味わいのサングリアに仕上げたという。
中味は香り豊かなこだわりの「混濁果汁」を使用していることにより、果実本来の苦みやピール感を感じられる、みずみずしい果汁感が特長。
サングリアはもともとワインにフルーツやスパイスを加えた爽やかな飲み口があり、手軽に飲める感覚があるが、このレモンサワーをイメージさせる夏らしい爽やかさが手伝って、よい効果を生んでいる。
進化系というべきレモンサワーの潮流を感じる3種を取り上げた。今後も、新たなレモンサワーが登場するかもしれない。
取材・文/石原亜香利
レモネード系、味変系、ワインからの参入、進化する「レモンサワー」3つの新潮流| - @DIME
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