農薬や肥料を減らし、皮まで安心して使えるレモンを-。唐津市浜玉町の青果卸業「吉森」が、農薬を約8割減らしてレモンを試験栽培し、収穫のピークを迎えている。
同社がレモン栽培を始めたのは2017年。長年デコポンを生産していたが、ハウス内に侵入するサルの被害を受けて、鳥獣が好まないレモンの栽培に切り替えた。
デコポン栽培では、従業員がカッパを着て農薬などを散布するのが当たり前だった。肥料に含まれる「硝酸態窒素」は「やり過ぎるとえぐみや酸味が出て、やればやるほど味が落ちる」(吉森広社長)と感じるようになったという。
国内での生産量トップの広島県を視察し、七山の無加温ハウス35アールに苗木を植えた。当初の4年間は無農薬で育てたが、害虫被害があり、昨年から通常の4分の1以下に農薬や肥料を減らした。年15回まいていた農薬は2回にし、土壌は草と菌体を敷いた「緑肥」を活用。植物の成長ホルモンを引き出すよう太い枝はせん定せずに残し、農法を変えていった。
昨年から本格的に実り始め、20年度は3トン、本年度は13トンと収量も伸びている。「落葉して腐葉土になる山の自然を畑にするイメージだったが、当たり前だったことを変えていく不安もあった」と吉森社長(62)。「今後は研究してきたデータを農家に提供していく。環境に優しい農法を使ったレモン農家を佐賀県内でも増やしたい」と話し、安心安全の食づくりを目指す。収穫は2月上旬まで続き、レモンは同社で直接購入できる。(横田千晶)
減農薬・減肥料のレモン 唐津の青果卸「吉森」が試験栽培 - 佐賀新聞
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