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Friday, June 10, 2022

マイヤーレモンで地域おこし 山口・岩国の果樹園で若者奮闘 - 朝日新聞デジタル

 レモンとオレンジが交配したマイヤーレモンに注目が集まっている。中国地方で随一の生産を誇る山口県岩国市由宇町の「神東(しんとう)ファーム」は、この果実の栽培に地域おこしの願いも込める。その志に共鳴し、農業の世界に飛び込んだ若者がいる。

     ◇

 斜面に広がるマイヤーレモンの果樹園。手入れをする三谷徳駿(のりとし)さん(22)の目の前にはいつも瀬戸内海が広がり、出身地の周防大島が間近に見える。

 島の東側、周防大島町地家室に生まれた。ミカン畑が多く、海に近い自然豊かな土地だった。祖父が漁師、父は会社員だったが、進学した県立田布施農工高校で農業を学び、県立農業大学校(防府市)で果樹経営コースに入った。「小学校から高校まで続けたサッカーとともに、身近にあったのがミカンだったのかな」

 2020年10月、若手の人材を求めて農業大学校を訪れた神東ファームの滝山進社長(70)と出会った。体験学習の中学生を指導する三谷さんを気に入った滝山さんから熱心に誘われた。

 19年にマイヤーレモンの栽培を始めた滝山さんら3人が翌年、農業法人の神東ファームを設立。三谷さんは県外で知らない世界を体験したい気持ちもあったが、21年4月に神東ファームに入った。「マイヤーレモンを通じて地域おこしをしたい」という滝山さんの意思に共鳴したからだ。

 周防大島ではミカンの耕作放棄地が増え、人口が減っている。「この流れを食い止められないか」というかねての思いも決断を後押しした。

 畑のある岩国市由宇町神東地区は10年間で人口が2割以上減った。地元でグループホームを運営してきた滝山さんが、温暖で日当たりが良い神東地区に向いていると、希少価値も見込んで決めたのがマイヤーレモンの栽培事業。レモンブームも背景に、最近は2年ものの苗木が品薄になるほどの人気という。

 21年10月、初出荷にこぎつけた。休耕田2ヘクタールに植えた460本から1・4トンの収穫があった。今年は畑を3ヘクタールに広げ、800本から3トンの収穫をめざしている。ただ、黒字化は24年の見込みだ。

 6月は伸びた枝を取る「芽かき」の作業を根気よく続けている。夏の涼しい早朝に農作業ができるようにと、4月から畑近くの空き家に移って自炊をしている三谷さん。70歳前後ばかりの職場で農業漬けの日々だが、休日には学生時代の友人と羽を伸ばすという。

 仕事は栽培だけではない。マイヤーレモンの「糖度が高くまろやかな酸味」という持ち味を生かしたレシピや商品の開発にも知恵を絞る。5月から果汁を生かしたサイダーづくりの交渉を九州の飲料会社と始めたほか、10月開始を予定するネット通販の準備を進める。「農薬をほとんど使わないマイヤーレモンは有望と思っています」(川本裕司)

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 マイヤーレモンが出荷できるようになるのは4年生の前後。昨年の国内生産量は大手栽培業者の推計では三百数十トンで、シェアの大半を三重県が占めるといわれる。マイヤーレモンを原料にしたクラフトビール、リキュール、スイートポテトなどが販売されている。

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