
広島のがんばる人を応援するコーナー。「保命酒」で有名な福山・鞆の浦で新たな商品開発が進んでいます。アラフィフ女性グループと、手を差し伸べた仲間たちの挑戦を取材しました。
福山市の中心部から南へおよそ14キロ。江戸時代に潮待ちの港として栄え、今なお、当時の面影が大切に残される県内屈指の観光地、鞆の浦。この地に築100年を越える古民家で製造されているご当地商品があります。
(一般社団法人ともの・村上百合子さん)
「鞆の浦リモンチーノというリキュールで、福山市の内海町の自然農法のレモンと、瀬戸田の自然農法のレモンだけを使ったリキュール。これはリモンチェッロというレモンのお酒なんですが、本来のレシピだとどうしても砂糖の量がすごく多くて日本人の舌にはなかなか合わない。それを二つの砂糖をブレンドする事によって砂糖の量を減らして、レモンの香りやコクが出るようにしております」
自然農法で栽培された希少なレモンを使い、鞆の浦の新たな名物として誕生した「鞆の浦リモンチーノ」。栄養士の資格をもつ村上さんが、専門学校時代の仲間と共に法人を立ち上げ商品開発を進めてきました。
(一般社団法人ともの・村上百合子さん)
「私たちアラフィフ、子育てもひと段落。介護をすることも必要ないという女性からしてみたら束の間のご褒美タイムの時に自分たちで出来る事があったらいいねって。それをキッカケにして集まれたら楽しいよね。少しお小遣いになるともっと幸せだねという気持ちがありまして」
どうせやるならば、と、和製リキュールの代表格、保命酒で有名な鞆の浦に移住した村上さんは古民家を改装して製造所を作り商品を作り始めました。
ところが…
(一般社団法人ともの・村上百合子さん)
「ほぼほぼ同時期でした。ラベルが出来てネーミングが出来て皆さんに知ってもらおうと取り組みを始めたと同時にコロナがすごく蔓延しまして。もちろん飲食店さんも大変な時でしたし、営業をかけてこの知らないお酒をお店に置いていただけますか?なんてご無理を言えるような状態ではなく、このお酒を皆さんにお伝えするチャンスも無いまま販売を始めていっているという状態でした。本当に不安でした。もう全てが止まってしまいまして最初はどうしたらいいのかパニックになりましたけど自分で何ができるかなって考える中で家の中にいるからこそできる事をやっていこう」
飲食店などへの営業活動ができない中でまずはホームページでのネット販売を開始。
そして…
(一般社団法人ともの・村上百合子さん)
「多分このお酒自体がどういうものなのか皆さんわからないと思いますので。50代でそんなインスタグラムなんかやった事ない人間なんですけど」
慣れない中で始めたのは「鞆の浦リモンチーノ」を使ったアレンジレシピの投稿。栄養士の資格をもつ料理上手な村上さんならではのアイデアで興味をそそるレシピを考案。ドリンクだけではなくスイーツとの相性もいい商品の魅力を発信しました。すると、この地道な努力が新たな繋がりを生み出したのです。
(一般社団法人ともの・村上百合子さん)
「お世話になっています。とものです。いつものリモンチーノです」
この日、村上さんが訪れたのは、鞆の浦の人気ラーメン店。この「鯛丸」は鞆の浦の飲食店で唯一、「リモンチーノ」を提供しているお店です。
(鞆の浦らーめん鯛丸店主・佐藤勇樹さん)
「鞆の浦が観光地ということで、市販のお酒だけじゃ面白くないなと思ってSNSを見ていたら、鞆の浦でお酒を造っているというのを知ったのでDMで連絡をとって出せるようにしてもらいました」
(一般社団法人ともの・村上百合子さん)
「ほんとに救われたなって思いました。鞆でどこかのお店で扱っていただきたいなという気持ちがいっぱいだったんですけど、その時に鯛丸さんに一番に声をかけていただけたので本当にラッキーだったと思います」
(鞆の浦らーめん鯛丸店主・佐藤勇樹さん)
「レモンサワーより爽やかというか柑橘がキツくて美味しいなと思って。是非まず一杯飲んでもらいたいなと思っています」
福山市の住宅街にひっそりと佇む地元で評判の洋菓子店「スウィートカカオ」。こちらで販売されるケーキの中に新しく仲間入りした商品があります。
(スウィートカカオ シェフ・槙本良光さん)
「鞆の浦リモンチーノを使ったカスタードクリームにリモンチーノを合わせてそれをサンドしたものです」
「リモンチーノ」を使ったスイーツは他にも。すりおろした瀬戸田レモンと「リモンチーノ」シロップを生地にたっぷりと練り込んだレモンケーキに、こちらは「リモンチーノ」入りのクリームと生クリームを合わせた「レモンパイ」。爽やかな風味が特徴的な人気の商品です。
(スウィートカカオ シェフ・槙本良光さん)
「経緯はうちのお客さんが新しくリモンチーノをつくるという事でちょっと試してみてもらえませんか?という事で使うようになりました。クリームと合わせた時にやっぱりいいと思います」
発売から2年、その魅力発信を応援してくれる地元の仲間の支えをうけ日々製造される「鞆の浦リモンチーノ」。現在は、地元の道の駅などでの販売も始まり、少しずつその販路は広がっています。
(一般社団法人ともの・村上百合子さん)
「コロナで停止状態のゼロからの出発から考えれば、少しずつですけど販売の数も上がってきていると思います。材料になっているレモンは自然農法のレモンなんですが、携わっている農家さんは本当に意識が高くて一生懸命育てていらっしゃる。その農家さんの気持ちをうちのお酒にギュッと詰めてお届けしたいという気持ちで、私も農家さんを応援できる立場になれたらなってすごく思って。今はまだまだ販売する数が少ないのでおこがましいような状態ですけどそのうちしっかり応援できるようになったらいいなと思います」
(スタッフ)
「ゆくゆくは鞆の浦と言えばリモンチーノになるように…」
(一般社団法人ともの・村上百合子さん)
「よぉ言えん…鞆の浦と言えば大先輩の保命酒さんがいらっしゃるので保命酒の次に、あ、リモンチーノもあったねって言ってもらえるようになれたらなと思っています」
自然農法のレモンからつくったリキュール「リモンチーノ」 アラフィフ女性たちの挑戦 福山・鞆の浦|FNNプライムオンライン - FNNプライムオンライン
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