レモンは、イタリアやスペインのイメージが強い果物ですが、インドのアッサム地方が原産で、その後地中海沿岸諸国に伝わりました。11~13世紀に十字軍の兵士が持ち帰ったレモンがヨーロッパ中に広がり、果汁を搾ったり、料理に使われたりしました。そして大航海時代には壊血病の予防のために、船乗りの欠かせない積み荷となり、大西洋を越え新大陸にもたらされたといわれています。
日本には1873(明治6)年、静岡県の熱海に伝わったという記録があり、すぐに和歌山に広がりました。そして明治末期には、瀬戸内の島々でレモンの栽培が広がりました。
レモンが酸っぱいのは何という成分のせい?
A ビタミンC
B クエン酸
正解はBのクエン酸です。レモンというとビタミンC。なんとなくビタミンCは「酸っぱい」イメージですが、酸味はクエン酸由来です。クエン酸はカルシウムなどミネラルの吸収を助ける働きで、疲労回復効果があると言われています。
▷レモン〇個分のビタミン
よく「レモン〇個分のビタミンC」という表現を見かけます。含まれるビタミンCは、皮を含む可食部100グラムあたり100ミリグラム(レモン果汁のみは100グラムあたり50ミリグラム)。諸説はありますが、きりのいい数字が計算しやすく、こうした表現になった、と言われています。ちなみにアセロラは可食部100グラムあたり1700ミリグラム、ユズには可食部100グラムあたり160ミリグラム含まれていて、レモンが一番多いわけではないようです。
▷レモンの旬は?
夏のイメージがありますが、国産のレモンが出回る時期はだいたい10月頃から5月頃。10~12月頃はグリーンのレモン、12月以降はイエローのレモンが多く出回ります。グリーンのレモンは少し苦みがあり、酸味と香りが強く、果汁が少ないのが特徴ですが、イエローになってくると糖度が高くなり、果汁が多くなります。苦みも少なくなるので皮ごと食べてもおいしいです。
▷選び方
皮にハリやツヤがあるものがお薦めです。また、重いものの方が果汁は多いです。ヘタが緑色のものは新鮮な証拠です。
▷保存方法
乾燥しないよう1個ずつラップや新聞紙に包みビニール袋などに入れ、野菜室で保存します。常温保存も可能ですが、鮮度を保つには野菜室がベター。切ったものは空気に触れないようピッタリとラップで包み野菜室で保存できますが、なるべく早く使い切りましょう。
▷栄養
カルシウムは体内に吸収されにくい成分ですが、レモンに含まれるクエン酸にはカルシウムを吸収しやすくする「キレート作用」があります。また、美肌効果のあるビタミンC、むくみの解消効果があるカリウムなども含まれています。皮に多く含まれている「リモネン」という香り成分にはリラックス効果があると言われています。
緒方 湊(おがた・みなと):2008年3月生まれ。6歳で野菜づくりを始める。8歳で野菜ソムリエ、10歳で野菜ソムリエプロに合格(いずれも当時の最年少記録)。横浜DeNAベイスターズの大ファン。
教えて!野菜ソムリエプロ レモンのおいしい話 連載 - カナロコ by 神奈川新聞
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